日本製紙は8000億円超の有利子負債と重大事故・地震被害が重なり、資産売却と不採算事業の撤退を通じて財務と事業の再建を迫られている。
国内製紙2強の一角である日本製紙は、紙の市場縮小に伴う採算悪化と海外買収による借入金の増大が重なり、有利子負債が8422億円(2026年6月末時点)に達している。純有利子負債倍率は自己資本の1.2倍、株主資本に対しては1.74倍と財務健全性の観点で警戒が必要な水準だ。
こうした財務基盤のもと、重大事故と地震被害が追い打ちをかけている。16年に買収したアメリカ子会社NDPの工場で、26年5月に薬品タンクの倒壊事故が発生し、11名が死亡、8名が負傷して工場は操業を停止している。これにより事業運営の不確実性が高まっている。
株式市場の評価では、時価総額が同業のレンゴーや大王製紙より低位にとどまっており、脱製紙を含む再編成を含む戦略の成否が焦点となっている。今後は資産売却による資本の改善と、不採算事業の撤退を含む事業構造の見直しが検討課題となる。