LCD工場がAI基地へ転用される動きが韓日台で進んでいる。LGイノテックが半導体基板事業を拡大する計画を打ち出すほか、日本の新光電気工業が茂原工場の買収契約を結んだ。TSMCはイノラックスのLCD工場を取得してAIチップ用の先端パッケージング拠点へ転換した。
かつてディスプレー産業の中心だった LCD 工場が、AI 関連施設や半導体基板生産ラインの導入を通じて再活用されつつある。韓国の LG イノテックは LCD 工場を活用して半導体基板生産能力の拡大を狙い、FC-BGA などのパッケージソリューション事業を成長させる方針を示している。
海外では日本の新光電気工業が千葉県茂原工場の買収契約を結んだほか、台湾のTSMCがイノラックスの LCD 工場を取得しAIチップ用先端パッケージング工場へ転換した。シャープ大阪工場の敷地は KDDI に売却され、AIデータセンターの稼働も進んでいる。多くの工場が大型の電力・用水設備やクリーンルームを有しており、稼働時期の前倒しが可能とみられる。
LCD 市場は中国勢のシェア拡大と市場低迷が背景にあり、BOE や China Star が主導する状況が続くとみられる。前方需要の冷え込みと有機EL の普及拡大が影響しており、AI データセンター需要の高まりが工場の転用を後押ししている。
AI データセンターの活用事例として、シャープ堺工場の電力・冷却設備を活用して AI データセンターを稼働させた事例も挙がっており、業界関係者は「悩みの種だった工場がAIブームで資産化している」と話している。