大成建設が5.7GHz帯を活用したワイヤレス給電システム「T-iPower Beam」を三菱電機と共同開発し、建物内のIoTセンサーやデバイスへ電力を供給する取り組みを進めている。920MHz帯より電力伝送能力を高め、アンテナを小型化できる5.7GHz帯を採用した理由も公表されている。
大手ゼネコンの大成建設は、空間伝送型ワイヤレス電力伝送の実証・研究開発に取り組み、清掃・警備ロボットなどに送電装置を搭載して建物内のIoTセンサーやデバイスへ給電する技術「T-iPower Beam」を2022年に三菱電機と共同開発した。これにより、建物内のセンサー導入拡大を想定した配線工事や運用コストの課題解決を目指している。
空間伝送型WPTは電力を電波へ変換し数メートルから十数メートル離れた機器へ送電できる技術として注目され、2025年時点の市場規模は約173億7000万米ドル、2034年には約2.6倍になると予測されている。近接結合型と区別されるこの方式はIoT機器の給電や工場内センサーの電力供給に適用が期待されている。
5.7GHz帯を採用した理由として、山口氏は920MHz帯では伝送電力が小さくなる一方、波長が短いことでアンテナの小型化が難しい点を挙げ、5.7GHz帯は小型化と大容量送電を両立できると説明している。今後は建物内センサーの普及拡大に伴う電力供給の実証を進め、ロボットやIoT機器の停電リスク低減につなげるとみられる。