渋谷の難工事で培った都市機能を活かしつつ、東急建設が人材とデジタルを競争優位の源泉に据える経営改革を全社で進める。地方インフラや海外市場へ新たな成長領域を広げる方針も示された。
2026年6月に久田浩司氏が東急建設の社長に就任し、経営の意思決定と執行責任を担う立場となった。久田氏は理念とビジョンに合致し、社会の役に立つかを判断軸にする方針を示した。業績は好調とされる一方で、人手不足や資材コスト上昇、デジタル化への対応が課題として挙げられ、教育や風土改革を通じて「安全・品質」を文化として根付かせる方針を示した。
長期経営計画「To zero, from zero.」の後半5年間へ入り、人材とデジタルを競争優位の源泉に位置付けた。30年度までの人材とデジタルトランスフォーメーション投資を初期の100億円から740億円へ拡充するほか、採用競争力を高める処遇改善や人材育成、全社DXの基盤整備に取り組む。さらに、定型業務をデジタル化し、創造性の高い業務へ人材を振り向ける「プロジェクト3030」も推進中だ。
組織風土の改革として、マネージャー層の変革を進め、若手提案を前例がないとして止めない組織づくりを目指す。26年4月にはDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進室を新設し、制度の整備だけでなく社員の意識変革も図ると説明された。久田氏は「月曜日に出社するのが楽しみな会社」を目指すとし、心理的安全性とチームワークを職場の土台に据える考えを示した。