J.フロント リテイリングのSC事業は売上構成14.8%ながら利益率が20.7%に達し、百貨店の11.2%を大きく上回る。株価は1カ月で約10%下落している。
グループは売上の大半を百貨店事業が占める一方、SC事業の利益率がここ数年かけて着実に向上しており、2026年2月期のSC事業の営業利益率は20.7%に到達した。百貨店事業の営業利益率は11.2%で、両事業の収益性に大きな差がある。売上高はSCが660億円で全体の約14.8%を占めるにすぎないが、利益面ではSCが決算を牽引している。
セグメント別の営業利益をみると、百貨店事業が298億円、SC事業が136億円、デベロッパー70億円と、SCが売上比に比べて利益の比率を高く稼いでいる。SC事業は売上構成比が低いにもかかわらず、長期的に高い利益率を維持しており、直近5期で20%台を維持している点が特徴だ。決済・金融事業は21.5%の高い利益率だが規模は小さく、全体の利益構成には限界がある。
株価は8月中旬をピークにその後下落傾向を示し、9月11日時点の終値は2607円となり1カ月で約10%の下落。PERは22.24倍、PBRは1.55倍で、ROEは6.9%と小売業の中央値と比べて低位となっている。業績見通しでは2027年2月期の営業利益が減益となる見込みが示唆され、株価の下落要因の一つとして意識された可能性がある。
SC事業の源流はパルコ事業であり、現在はPARCOデジタルマーケティングやPARCO(SINGAPORE)PTE LTDなどが連結子会社として位置づけられている。百貨店は商品の仕入れと販売を中心とする一方、SC事業はテナント賃料型の収益構造であり、同一グループ内でも収益性の質が異なることが決算開示から読み取れる。