出版取次大手の日販グループが米AI企業アンソロピックへ大量の書籍を販売していた可能性が指摘され、日本書籍出版協会が事実確認の書面を日販へ送ったことがわかった。販売書籍には加盟出版社の刊行物が含まれていたかや法的整合性が焦点となっている。
出版取次大手の日販グループホールディングスが米AI開発企業アンソロピックに大量の書籍を販売していた可能性があるとして、日本書籍出版協会が日販に事実確認を求める書面を送付したことが18日、明らかになった。販売された書籍がアンソロピックのAI学習に使用された可能性があるとして関係者の間で反発が出ている。
書協は書面で、アンソロピックに渡った書籍のなかに書協加盟出版社の発行物が含まれていたかどうかや、含まれていた場合の詳細、また日販が海外業者へ出版社の了承なく大量販売した場合の法的整合性について説明を求めた。
米国の裁判資料には、日販とみられる「Nippan Japan」との記述が複数回登場しており、AIの学習のために海賊版サイトの書籍を無断で利用したとして訴訟を起こした米国の作家らが和解している事実が記されている。
日販は朝日新聞の取材に対し、個別取引に関する内容は回答を差し控えると述べつつ、「本件に限らず、AI企業の学習向け用途と認識したうえで販売した事実はない」と説明した。