生成AIブームを受けてHBM需要が急増する中、SK hynixは身売り寸前の苦境を越え、世界有数のメモリ企業へと変貌した。HBMを軸に事業の強さを示し続ける。
1990年代末の通貨危機後、現代電子はLG半導体を統合し、2001年に現代グループから独立したハイニックスが2002年に米マイクロンへの売却を巡る交渉で債権団の管理下に置かれる局面を迎えた。だが売却は退けられ、ハイニックスは自力再建を目指した。
転機は2012年、SKグループの崔泰源会長が約30億ドルでハイニックスを買収。社名をSK hynixに改め、長年2番手と見なされてきた立場を脱して成長路線に転じ、SKグループの韓国経済での存在感を高める要因となった。
HBMの開発が同社の運命を動かす。2000年代半ばからDRAMを縦に積み重ねる技術を研究し、2013年に世界初のHBM開発に成功。製造コストの高さから市場は長く評価を抑えたが、生成AIの普及で需要が拡大した。
現在はHBMを軸に世界有数の稼ぐ会社へ。2026年4〜6月期の営業利益は約6.8兆円と試算され、2022年5月には時価総額が初めて1兆ドルに到達、7月には米国ADR上場で約265億ドルを調達した。一方で市場の見方は依然として揺れている。