SBIホールディングスは世界最大級の資産運用会社ブラックロックと組み、トークン化MMFと円建てステーブルコインJPYSCの連携を検討する基本合意を発表した。今後、オンチェーン金融の入り口としてJPYSCの活用拡大が現実味を帯びる可能性がある。
SBIホールディングスは、銀行・証券・暗号資産を束ねる金融コングロマリットとして、ブラックロックとシンガポールのスターテイルと連携し、トークン化MMFと円建てステーブルコインJPYSCの連携を検討する基本合意を2026年10月27日に公表した。これにより、証券口座の顧客基盤をオンチェーン金融の入口へとつなぐ取り組みが現実味を帯びてきた。
今回の枠組みでは、JPYSCの発行と流通を含む連携を通じて、オンチェーン上の投資信託と円資産の結びつきを強化する狙いが示されている。一方で、現時点ではJPYSCはSBI VCトレードの口座内での取扱いにとどまり、公開ブロックチェーンでの流通は法令・税務上の整理を待つ段階であると会社資料に記されている。
この動きは、SBIグループの「手数料ゼロ」の旗印と、多層的収益化を支える顧客基盤の活用という戦略と結びつく。規制環境が追い風となるか、株式・暗号資産市場の動向や北尾吉孝会長の戦略実現力に左右される要因が多く、リスクとして市場環境の変動や事業の複雑さが挙げられる。
読者は、決算短信や適時開示で示される顧客基盤の伸び方・利益の継続性・資本の使い方といった指標のほか、JPYSCの普及状況と連携の実現可能性がどの程度現実味を帯びるかを注視するとよい。