大企業と中小企業の賃金格差を生む背景として、日本の中小企業の実態と国際比較を整理する。資本金基準と従業員規模の違いがどう関係するか、利益水準の実態も照らして説明する。
日本では中小企業の定義が資本金5000万円未満とされ、1000万円未満の会社の年間税引前当期純利益は240万円、1000万円~5000万円は1290万円にすぎない。こうした利益水準は、法人化の動機にも疑問を投げかける。
世界の中小企業は資本金より従業員数で区分される例が多く、2021年の経済センサスデータでは資本金と従業者数の関係が示され、資本金が小さくても従業員が多い企業もあることが分かる。
OECDの中小企業定義は従業員249人以下であり、日本の実態と異なる点がある。従業員数の階級別内訳を見ると、資本金の規模に応じて従業員数が大きく異なる事実が示されている。
OECDの定義を含む国際比較によって、日本では中小企業の割合が高い国とされる一方、日本の賃金格差の背景には従業員規模の分布や利益水準の偏りが絡む可能性がある。