日本企業の新卒採用計画に、AIの導入が影響を与えつつある。2029年度以降に採用規模を縮小する企業が21.9%に達するとの調査結果が示された。
日本企業の新卒採用計画を対象にした調査で、AIを活用した業務効率化を背景に、2029年度以降の採用規模を縮小すると回答した企業は21.9%となった。来年度の大卒新卒採用を減らす企業は3.2%、2028年度に減らす/縮小を検討は10.4%だった。短期の動きより中長期の調整が前面に出ている傾向が読み取れる。
AIの代替性が高い職種として事務職を挙げた企業が87.5%と最も多く、管理職やIT・エンジニアといった技術職はそれぞれ25%にとどまった。企業は新卒の数を単純に増やす戦略からの脱却を進め、AIに代替されにくい能力や将来の成長に必要な専門性を持つ人材の選別を強化している。
来年度の採用計画をみると、全42業種のうち23業種で採用人数が減少。製造業は11業種で減少、非製造業は12業種で減少した一方、AI開発関連の需要が高いキオクシアは来春の大卒採用を32.9%増やす計画。業種・職務ごとに温度差が生じている。
労働需要全体の弱体化を断定するのは難しく、日本の厚生労働省は就職・内定状況は高水準を維持と指摘。大卒者の就職後3年以内の離職率は前年より低下しており、業種間で需要動向は大きく異なる。AI導入による採用の変化は、事務職の比重やDX需要、人手不足の程度によって異なる可能性がある。