外為どっとコムが2人の専門家に2026年後半のドル円相場を分析。日銀利上げが円安を止めない根拠と、円安進行の背景となる資金の流れを整理する。
本稿は、外為どっとコムのマネ育チャンネルが招いた高千穂大学教授・内田稔氏とブルームバーグ・エコノミクスの木村太郎氏の最新見解をもとに、2026年後半のドル円相場や日銀の金融政策、円安の構造的要因を整理したものである。2人の専門家は共通して、日米金利差だけでは円安は止まりにくいとの認識を示した。
内田氏は円安の根因を実質短期金利のマイナスと分析し、政策金利が年内1.25%へ引き上げられてもCPIの動きがプラス転換要因にはなっておらず、年内〜来年前半の金利上昇局面で実質金利が正となる可能性を見込んでいる。一方、長期金利の上昇は期待インフレ率と財政リスクプレミアムの影響を受け、円安を止める材料にはなりにくいと指摘した。
木村氏は日銀の追加利上げを10月が本命と見据えつつ、対外直接投資の拡大という構造的な円売り圧力が背景にあると説明。日銀の利上げだけでは円高トレンドへの転換は難しく、国内企業の海外投資が資本流出を通じて円安要因を維持すると指摘した。さらに、米国経済の動向次第で円高転換の条件が変化するとの見方を示した。
全体として、2人の見解はいずれも円安の原因を日米金利差の単純な解釈に留めず、より深い要因—実質金利の水準や資金フローの構造変化—を重視している。2026年後半は日銀の利上げ時期やFRBの動向、米中間選挙、財政政策への市場の見方などが焦点となる見込みで、短期的な値動きだけでなくファンダメンタルズの方向性を読み解く視点が重要になると結んだ。