オランダでGatekeeper法が1990年代に導入され、休職段階から企業と本人が復職計画を共同で策定・見直す体制が整った。長期休職の固定化を防ぎ、復職後の再休職を抑制する効果が報告され、日本との違いが指摘されている。
近年、日本を含む先進国でメンタルヘルス不調による長期休職が社会全体の課題となっている。復職支援は個人の回復だけでなく企業の生産性にも影響するため、海外では制度的な枠組みの整備が進んでいる。
オランダではGatekeeper法という制度を導入し、休職が発生した時点から本人、雇用主、産業医が協働して復職計画を作成し、定期的に見直すことを義務づけた。原職復帰が難しい場合には配置転換や業務再設計、場合によっては他社への再就職支援まで検討する。
制度の特徴として、雇用主には復職に向けた合理的努力義務が課され、医療だけでなく雇用側の介入が重視される点が挙げられる。これにより、長期休職の固定化が減少し、障害年金への移行や再休職の抑制といった成果が報告されている。
日本では休職中は医師判断を待ち、復職支援に企業が本格的に関与する時期が遅れる傾向がある。オランダの復職支援を「善意の福利厚生」ではなく「復職インフラ」と位置づける認識の差が大きな違いとして指摘されている。