ブラザー工業が東京都中央区と災害時の水素燃料電池の利活用で協定を締結し、中央区保健所に同社製の燃料電池システムを設置した。災害時の電力供給をバックアップする体制が整備され、非常時の通信機器やプリンターなどの供給が想定されている。
ブラザー工業は2026年10月20日、東京都中央区と災害時等における水素燃料電池の利活用に関する協定を締結したと発表した。協定に基づき中央区保健所に同社の燃料電池システムを設置し、非常用電源としての活用を進める。
設置した燃料電池の出力は3.0kW、水素充填量は10.8Nm3(カートリッジ8本分)、水素充填時の電力供給可能量は12kWhで、名古屋地区の施設で製造・配送されたグリーン水素を使用する。
電力供給先として災害時に必要となる連絡用無線、プリンター、放送設備、TV・ラジオなどを想定しており、避難所設営場所へコードリールなどで供給することも可能だ。一方、現時点では避難住民向けの充電用途は予定されていない。
ブラザー工業は2013年から水素燃料電池システムを開発しており、2023年には水素ブランド「PureEne」を立ち上げた。資格者でなくても運搬・交換が可能な安全性の高い水素吸蔵合金製カートリッジを特徴としている。
東京都のグリーン水素率先利用事業者認証制度を2025年から2年連続で取得しており、JR高輪ゲートウェイ駅で自動走行モビリティの充電などにも使用されている。