日本企業とドイツの中小企業を対比し、日本の生産性低迷の背景と隠れたチャンピオンの事例としてタスク社とBMWライプチヒ工場を取り上げる。
本稿は、ドイツの隠れたチャンピオンが日本企業と差を生む要因として、海外向け販売の比率が高い企業の成長と、現地での調達・入札の仕組みを中心に整理する。図表で売上高の推移を示しつつ、日本にも近い将来“隠れたチャンピオン”になり得る企業として栃木県の株式会社タスクの概要・沿革・実績を紹介する。
タスクは生検針などの医療機器を製造・販売し、国内外の代理店を合わせて30カ国以上で販売している。2023年度の売上高は60.6億円(海外販売比率86%)で、従業員は287人、本社工場は栃木県栃木市にある。創業は1974年、現在の社長は川嶋健である。
同社の特徴として、海外市場を意識した“インターナショナル行商”型の営業、現場の医師の声を反映させる「見たんか、聞いたんか、触ったんか」という三現主義、製造分野でも人の手を要する検査の徹底が挙げられる。今後の目標は5年後に売上高100億円、さらにその先は400億円を目指すとされる。
一方、BMWライプツィヒ工場の取材では、ドイツの自動車メーカーが都度の入札を行い、調達基準を設け、世界中から部品を購入する体制を取っていることが明らかになった。現地では広大な土地と低賃金の有利性を活かし、周辺にも部品メーカーの生産ラインを拡張する動きがあった。