円安の要因とこれまでの展開、そして今後の焦点を整理する。2022年以降の日米金利差拡大や日本の金融・財政政策の動き、協調介入の効果と市場の反応を要点だけまとめる。
新型コロナ後の日米金利差の拡大により、日本は長期間マイナス金利とYCCを維持し続け、円はドルに対して大幅に価値を下げた。22年10月には一時的に円安が進み、23年以降も米国の利上げが続く一方、日本の金利は低位のままで、再び円安トレンドが定着した。24年以降は1ドル=150円前後の水準が定着したとの見方があった。
日銀の金融政策正常化は2024年3月に一歩踏み出したが、利上げの幅とペースは緩やかで、25年末には0.75%、26年 midには1.0%と段階的な引き上げにとどまる見通しだった。一方米国はFF金利を高水準に維持し、日米の政策差は依然として円安材料となっていた。
2026年7月以降、日本の財務省による大規模なドル売り・円買い介入が実施され、円安の進行を食い止める場面が見られた。翌日以降は米欧の協調介入もあり、円は一時的に水準を戻す場面もあったが、介入効果は長期的な転換には結びつかなかった。
今後の焦点は三つ。資源エネルギー価格の動向、日銀の利上げペースと金融政策の方向性、財政規律を巡る国内方針の転換である。外部要因として原油・資源価格の動向、国内では財政運営の姿勢と減税の組み合わせが円相場に影響を与えるとみられている。
日米協調介入の効果と市場の反応を見る中で、原油動向と米国の金融政策、そして高市政権の財政方針が今後の円安・円高の潮目を左右すると考えられる。