円高が進むとオルカンの円建て評価額は下がるが、購買力の観点からは外貨建て資産を組み入れることで振れ幅を抑えられ、家計の購買力を安定させられるという考えを、具体例とともに示している。
円高が進行する背景として、日銀の金融政策への期待や金利差縮小観測、GPIFの国内資産比率の動向が指摘され、9月3日にはドル円が一時155円台へと強含んだ。筆者はこの状況を前提に、円高が進んだ場合の資産評価額の減少と購買力の関係を整理する。
1,000万円でスマホを例に挙げ、1ドル150円時は約166台、1ドル180円時には約166台、1ドル120円時には約208台と変動することを示した。円建てだけでは購買力の振れ幅が大きくなる一方、外貨建てを半分持つと振れ幅は小さくなるため購買力の安定につながると結論づける。
取り崩し世代の家計では、円高時に外貨資産が減って資産残高が目減りしても、輸入品の支出が抑制され年間赤字は60万円から48万円へ縮小する。これにより、資産を取り崩す額と購買力の関係が単純には損得で割り切れないことが示される。
資産寿命の観点では、円高時に外貨建て資産を持つ場合の年数は35.8年となり、円建てのみの場合の41.6年には及ばない箇所があるものの、全体としては円と外貨の両方を持つことで、どちらの方向に動いても購買力を大きく崩さない状態を目指すべきだと整理される。