東芝と中部電力らは静岡県島田市の製紙工場で、再エネ由来の電力を熱に変えて岩石に蓄える岩石蓄熱のプラントを実証公開した。今後は岡崎市で規模拡大を目指し、26年度末までの実現可能性調査を進める。
東芝と中部電力は、静岡県島田市にある特種東海製紙の新東海製紙工場内で、再エネ電力を熱に変換して岩石に蓄える岩石蓄熱の実証プラントを報道公開した。再エネは天候で発電量が変動するため、熱として蓄える新たな活用手法を検証することが目的である。
プラントの容器は高さ4メートル、幅9メートル、奥行き4メートルで、内部の岩石は最大700度まで加熱・蓄熱される。熱は紙の乾燥工程に使われ、蒸気発生器やヒーターを介して乾燥用の蒸気と熱エネルギーを供給する。
蓄熱容量は電力量換算で約10メガワット時で、約880世帯の1日分の電力使用量に相当する。岩石蓄熱プラントとして国内最大規模で、エネルギー・マネジメント・システムを組み合わせた工場利用は世界でも珍しいとされる。
70トンの静岡県内岩石を使用しており、再エネの安定的運用を補完する役割が期待される。岩石は長寿命で、蓄電池に比べてコスト削減や地元資源活用のメリットがあると説明されている。
今後は岡崎市でより大きな規模のプラント構想が進み、2025年3月には東芝エネルギーシステムズや中部電、同市が導入協定を締結。26年度末までに数十メガワット時規模の国内最大級岩石蓄熱プラント整備へ向け実現可能性調査を進める計画だ。