米国が民間企業の指揮下による国外サイバー攻撃を認める制度に署名したと発表された。日本企業の被害事例も相次ぎ、今後の展開に注目が集まる。
米国政府は審査を通過した民間企業が政府の指揮・監督下で国外のサイバー犯罪組織に対してサイバー監視作戦やサイバー効果作戦を実行できる国家安全保障大統領覚書に署名したと伝えられる。対象はランサムウェアやフィッシング、金融詐欺、セクストーションなど米国を標的とする越境犯罪グループで、外国政府機関や完全な指揮下にある組織を除く組織に限られる。
日本国内ではニチレイのランサムウェア攻撃で物流網が影響を受け、ダークウェブで盗まれたデータが公開された事実が報じられたほか、アサヒグループHDも過去に同様の被害を受け製造ラインや物流系システムが停止した事例がある。2024年にはKADOKAWAグループがサイバー攻撃を受け、ニコニコ動画のサービス停止が長期化した。
日本の法制度としては2025年にサイバー対処能力強化法が成立し、インフラを担う民間事業者と政府の情報共有を義務づけたが、現状は警察や自衛隊のみが攻撃者へアクセスできる段階で、米国の制度と同様の運用は短期的には難しいとされる。中長期では政府監督下の民間活用を検討する余地があるとの見方がある。